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  大学入学共通テスト(新テスト)試行調査(プレテスト)1回目の古文 2017年11月

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源氏物語 桐壺

(括弧内は文章ⅠとⅡでの異同、文章Ⅲは省略)

かの贈り物御覧ぜさす。

亡き人の住みか尋ね出でたりけむ、しるしの釵ならましかばと思(ほ)すもいとかひなし。


 尋ねゆく幻もがなつてにても
 魂のありかをそこと知るべく


絵に描ける楊貴妃の容貌は、いみじき絵師と言へども、筆限りありければ、いと匂ひ少なし。
大液の芙蓉、(未央の柳)も、げに通ひたりし容貌(・色あひ)を、唐めいたるよそおひはうるはしう(けうらに)こそありけめ、

なつかしうらうたげなりし(ありさまは、女郎花の風になびきたるよるもなよび、撫子の露に濡れたるよりもらうたく、なつかりしかり容貌・気配)を思し出づるに、花鳥の色にも音にもよそふべきかたぞなき。



源氏物語 若菜下

文章Ⅲの引用部分

六条院の女試楽、女三の宮、人よりちいさくうつくしげにて、ただ御衣のみある心地す、にほひやかなるかたはをくれて、いとあてやかになまめかしくて、二月の中の十日ばかりの青柳のしだりはじめたらむ心地して、(鴬(うぐいす)の羽風にも乱れぬべく、あえかに見えたまふ。)





ごらんず(御覧ず)=見るの尊敬語。「さす」二重敬語。
釵ならましかば=釵であったなら。仮想。亡き人の住処を訪ねた釵。「けむ」の次の読点がない方が読みやすいかも。問1にあるように次の「まし」を省略してある。

おぼす=おもほす=思うの尊敬語。

もがな=願望の終助詞、であればなあ。
つてにても=「つて」は現代語にもある、つてでも魂の有るところを知りたいと言っているようだと推測。つてでいいと言っているので、術師になりたいわけではない。
魂のありかを知るべく幻を尋ね〜(つまり倒置)
掛詞らしいものは見当たらない。直情の歌で美的な縁語を使う余裕もなさそうではある。






後半は桐壺帝の心中。「懐かしう、らうたげ」であった更衣を偲んで「よそふべき方なし」と最後にあるので、この悲嘆について三行にわたって形容しているのだと考える。

まず、(亡くなった更衣に比べると)絵に書いてある楊貴妃について十分でないという。
同様に蓮の花、柳の例も不満である。
こそ〜けめ、逆接で次に続く。であったのだろうが(更衣に比べると、、、、、)。






よそふ=比べる。繰り返し「〜より」を使って強調することからも更衣最上級!だったのだ。

(文脈から、更衣の素晴らしさについて)よそふ(比べる)べき(できる)かた(方法)ぞなき(がない)

亡くなった更衣のことが繰り返し思い出される帝の悲しみを筆をつくして表現している。Ⅱのほうが、女郎花、撫子まで持ち出して更衣の柔和さ(なよぶ)いじらしさ(らうたし)よりそいたさ(なつかし)を表す。












女三の宮を形容している部分。

うつくし=かわいい。小さくてかわいい。衣に隠れて本人が見えないくらい!
にほひやか=にほひ(オーラがある・照り映える)な点は遅れている。地味なのか?
あて=貴→上品。
なまめかし=生(若い)→しなやか→優雅。春の葉が生え始めた青柳の例にふさわしい。

柳を人の顔に例えることが源氏物語の中で実際多いのだろうか?たとえではなく単なる語彙検索だが、柳が22件、撫子が28件、女郎花が17件だった。桜は71件、梅は64件、橘は21件、花は385件だった。風景や衣料の文様の描写が多く、柳を人の顔のたとえとしてるのもあまり多くなさそうだ。