説明文、論説文、評論を読む

 説明の内容や論の運びをつかむ第一歩は、「」(イメージの関係をあらわしたもの)を頭の中に組み立てる。よく国語の先生が黒板に書くあれだ。

 「図」は対比などになることが多いし、わかりやすい例で説明してくれている場所やよく出てくる言葉(キーワード)を手がかりにして描く。

 文中の言葉や考え方の知識が、なんとなくでもあれば読みやすい。しかし、予備知識がない場合は、とにかく内容が難しく感じられるだろう。だいたいこんな意味だろうと今までの知識をしぼり出して類推をしながらイメージを作るしかない。

  推理の参考にするのが、ことがらとことがらの「関係」だ。たとえばそれは次のようなものだ。
 比較(どっちがいいか。論説は比較対照で語られることが多く図にしやすい)
 打ち消し(意味が強くなる働きがあることが多い。読み落としやすい)
 つなげる(指示語などを意識しないとバラバラになってしまう。逆接と順接もしっかりね。)
 たとえ(一番とっつきやすい)
 言いかえと繰り返し(論説、説明文は繰り返しが多いからどれとどれが同じなのかを考える。抜き出し問題になりやすい)
 ハッキリとは言わないが常識で明らかな比較や言いかえ。常識でわかる因果関係。もちろん、段落の切れ目、流れのメリハリ、書かれた目的や思い、広く狭く筆者の言いたいことを考えたりするのも、当然欠かせない。

 さらに、書かれていない文章の内容を具体的に思い浮かべたり想像(似た考え方や文を思い出す。あるいは、自分のわかりやすい例を考える。結果などを推理する。)するという積極的な読み方も必要だ。

 始めから正確に読みとろうとするよりも、筆者と読み手のぶつかり合いのつもりで読むといいかも。ただし、自分勝手な読み方に、はまらないよう注意。

 文章の理解の程度によって、読み方も変わってくる。関係を表す接続詞に注目といっても、たくさんあって、どれに注目したらいいのかなかなかわかりにくいものだ。家庭教師でお手伝いできるのは、そこを練習することだ。読むことはひとつの体験だ。私は生徒の理解と同じ体験をするためにも、生徒の前で、生徒と共に「新しく読む」、ということを心がけている。