算数の基礎

 イメージを作ることが基本

 習ったことだからと、なんとなく解いている人が多い。しかし、しっかりしたイメージを頭の中で作り上げ、または紙に書いて考えてみるというのが大切だ。また、柔軟に別解を考えたり、ヒラメキを楽しんだりするのが算数の面白さだから、面白さを追求してほしい。

 イメージのいろいろ

 式と言葉

 「式」というものは数学の「言葉」だが、日常で使う「言葉」も思考のイメージを作る。家庭教師は、理解のきっかけをつかみ、深めるために式よりはむしろ「言葉」によることが多い。それは問題を解くヒントだったり、単に設問の言葉を言い換えるだけだったりするが「言葉」をヒントに生徒はイメージをつかむ。逆に、生徒の思考をすくい上げ理解し展開させる元になるのも、生徒の「言葉」やノートに書かれている「式」の断片だったりする。家庭教師は解き方を教えるのが半分、生徒の解き方を理解するのが半分の仕事だ。

 線分図

 線を書いて数量関係を把握するのは算数のイメージ作りのABC。どの程度まで紙に書かなくても大丈夫かは人によりけり。式ができても線分図を描けない人がいる。どう書いたらいいのかは、練習を要するといえる。二本以上の線を引くことになる相当算、年齢算、過不足算などの線のひき方が難しい。逆に、倍数算など式からイメージを作る方が線分図よりわかりやすい場合もある。さらに、線を書く過程で何を(1)と置くのか、分数を使うのかなど、着目点や考え方が何通りもある。

 面積図

 これを教える必要のない入試もある。塾では必ず出てくる面積図は中学受験独特の解法だろうか。鶴亀(つるかめ)算はじめ平均、濃度算などに使われる。とくに鶴亀算が速さはじめいろいろな問題の一部として出現する。問題をたくさん解くと鶴亀算の匂いがすぐわかるようになる。また、濃度算「てんびん法」というのもよく塾で教えられているが、面積図の応用である。公式の塩の量(割合)の計算はできないのに天秤一本やりの子がいる。
 ツルとカメの足の数を計算するという江戸時代からあるらしい例題もシュールだが、匹数×足、溶液量×濃度=塩、速さ×時間=距離というように、掛け算を使うのが面積図の基本で、速さのように、やがてグラフに進化するものもある。鶴の足二本と亀の足四本の計算は、大人は面積図のほうが分かりやすく感じるが、「足を二本ずつ取り替えてゆく」という考え方のほうば分かりやすい子もいる。「損=マイナス」が出るような場合は面積図が使いにくいということがある。さらに、差集め算過不足算などの一部問題は掛け算だけでは処理しずらく無理して面積図を使うよりは表のような図を描くほうが適していたりする。

 割合と比

 丸を描いて「き、は、じ」で速さの三公式を作るように、割合も公式風に覚える子がいる。元々速さも割合である。札幌市の採用小学校教科書は「元の数×割合=比べられる数」から逆算で導く方法で、こちらのほうが分かりやすいとは思う。理数が苦手な人はこの辺が苦手なのだろうか。割る数のほうが大きい割り算の理解が難しい子もいる。しかし、分数に慣れるのは重要だ。比と割合の基本は何が何に「あたる」のかという考えだ。
   速さの三公式どころか、速さを比で解くように具体的数字で解かない問題が出されるのも中学受験の特徴だ。同じ距離など、比べるものを見つけだす思考がいる。方程式に慣れた大人の頭には難しく感ずるが、受験算数の面白さでもある。

 グラフ

 ニュートン算は、三つ以上の次元(牛、伸びつつある草、日にち)が入り組んでいて難しく感じられる。草の食べ具合と草の生え具合を引き算するなど、要素の整理について、どこから攻めていいのか迷うだろうが、その解き方に慣れたら、一歩進んでみよう。最初は絵で書きながら説明していたニュートン算。それが線分図になり、グラフを書いてみるとニュートン算が速さの問題、旅人算であることにも気づく。また、よくある「いくら離れているか」のグラフがニュートン算で使えたりもする。
  また、グラフを図形的に解くというのは数学の裏技界の代表である。

 規則性・場合の数

 日暦算からセンター試験の場合の数「数え上げ」まで、実は確固たる算数・数学の一分野を占める。数列は数学の重要分野。この種の問題は緻密さとか合理性とかが必要で、頭脳の使い方が他の算数と少し違う。順番の勘定で1を足したり引いたり、表のように描きながら慣れるまではややこしい。また、数の多いものや複雑なものは、少ない例や簡単な例で考えてみる、というのも算数ではいろいろ役に立つ。ただ、規則性の問題で途中省略が不安なのか面倒なのかすべて書き上げてしまう小学生も多いが、省略がポイントだからね。参考に源氏香

 計算

 数量をイメージすることは小学生の生活感覚にも必要。たとえば、四等分の25,50,75とか、12=5/60、時間や角度でよく出てくる数字というのがあるし、7や13の倍数のような素因数分解的な計算記憶を持っている子もいるが数字に愛着があるのかもしれない。また、時間など分数を使うほうがいい計算がある。分数は割合理解にも役立つ。 ところで、中学校以降は文字計算に移行するので小学校とは別世界になり、計算が不得意だった子が汚名返上する可能性もあるが、考え方の基本は同じである。計算はスポーツや習い事同様、練習が重要だが練習内容や仕方を選ぶのも重要。普段の計算練習をおろそかにするとテストのときあせるかもしれない。

立体

 イメージの作りにくい分野に立体がある。平面図形ならできるの立体だとどうも… 図を書くのに時間がかかるし、そもそも図が書きづらい… それなのに切断面やら串刺しやら展開図やら立体の中に立体が入っていたりするともうお手上げ… そのうえ、立体は体積の計算もあり、水を入れると仕事や速さにも関わってくるという算数イメージの総集編のような分野だ。男子中に比べ女子中には相対的にすくない。家庭教師の説明も図の理解のためになんとか説明しようと気合が入る分野である。

 

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